アンリ・カルティエ=ブレッソン Henri Cartier-Bresson [1908-2004]
アンリ・カルティエ=ブレッソンは自らを「フォト・ジャーナリスト」と名乗っています。おそらくこれ以上確かな肩書きはないでしょうが、さらに違った角度から見てみることにしましょう。
彼は、アンドレ・ロートのもとで絵画を学んだという経歴を持つ唯一のフォトジャーナリストです。アンドレ・ロートはキュービズムの画家であり評論家でもあった人物で、カルティエ=ブレッソンの写真も、伝統的な意味でのジャーナリズム的な題材を扱った作品はほとんどありません。
さらに、彼の作品のうち傑作とされている写真のほとんどは、仕事として撮られたものではなく、自分を取り巻く世界に純粋に魅了されて撮影したものなのです。これはしかし、多くの重要な写真家に当てはまることです。写真家の代表作とは、誰のためでもなく自分のために撮られたものが多いのです。
ルポルタージュとしての評価もさることながら、カルティエ=ブレッソンの写真はほかの多くの写真家たちの崇拝するところです。理由は「美しいから」。彼の写真は一流のスポーツ選手やダンサーのように、優雅な美しさ、バランス、驚き、シンプルさ、緊張、そしてウィットを備えています。
2004年、南フランスの自宅にて死去。95歳でした。
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